そんな私の言葉たち

その名の通り、現実を受け入れられない腐女子の大学生が、日々思ったことを書いていくだけの日記です。萌え語りはしません。主に書く内容は、悩み、人間関係、思想、本の感想など、全体的に暗くなる予定です(笑)

「京大医学部で教える合理的思考」を読みました。

 

 

 久しぶり、というよりもやっと2回目の本の感想シリーズ更新です(笑)

 

 夏休みで、8月の後半は友達との予定がありません(泣)しかもバイト漬けで、半引きこもりになります。

    しかし、いい機会なので、読み終えてない本を読みます。それがめっちゃあるんですよね(^^;)

 

 それに、いい加減に、論文の先行研究について調べないといけないので、活字や文章を読むこと(書くこと)に慣れるためにも読書をしていきます。

 

 未読の本が積み重なった原因は、本の読み方が私に合っていなかったためだと思います。私は通勤の電車の中でちまちま読んでいたのですが、時間を作って、「何ページは絶対に読む」と決めて読んだ方が、集中して読めるなと気づきました。

 

 それに適した場所がお風呂かなと。私は重度の携帯依存症で、暇があればすぐに携帯を見てしまうのです。感動した一文があったらツイートし、そのままtlを見る…みたいな感じで、集中が持たないんです。でも私の携帯は5sで防水加工はしていないので、お風呂には持っていけず、本に集中できます!だからお風呂でゆっくり読書して、読み終えていきます!

 

 さてさて、前置きが長くなってしまいましたが、

今回は中山健夫さんの

 

「京大で教える合理的思考」(日本経済新聞出版社

 

を読みました。

 この本は、私たちの身の回りにある情報をもとに、最も合理的に意思決定するためには、どのようにすればいいかをEBM(evidence based medicune=根拠に基づく医療)の考え方に沿って、わかりやすく伝えられています。

 

私が面白いなと思ったのは3点あります。

 

・相対値と絶対値

・因果の逆転

・PECO

 

以上3点です。これらについて書いていきます。

 

 

絶対値と相対値

 「新開発の痛み止め薬を発売。効果は2倍の効果!」このような宣伝文句を見て、皆さんはどう思うでしょうか。私は、よし、買った!って思いました(笑)

 私のようにこの宣伝文句だけで行動に移すまではいかなくても、皆さんも「すごく効く薬が開発された」と思うと思います。

 ではこのように数字で表されたらどうでしょう。

「20人/100人の効き目が40人/100人になった。」

 表現は違えど、言ってる内容は同じです。効果は2倍になったのです。しかし、皆さんはこの表現を見ることで、同じく「2倍」と思うでしょうか。きっと、「2倍」のイメージが変わったことと思います。それどころか、60人/100人は効かないんじゃん!とがっかりした人も少なからずいるでしょう。

 このようにイメージで飛びつくのではなく、「何が2倍になったのか」確認することが肝心だと、筆者は訴えています。

 この薬の場合、有効性が20%から40%になったことを、2倍になったと考えるのか20%増加したと考えるか、いうことです。

 前者の宣伝文句の表現は、「相対値」を切り口にした表現であり、後者は、「絶対値」を切り口にした表現と言えます。

 相対値とはAとBを相対的に比較した数値、別の言い方をすると「比」のことです。この場合、有効性が2倍になったという比較ですね。

 それに対し、絶対値とは全体の数値を考慮して、絶対的に言い切れる数からの比較です。この場合有効性が20%から40%になり、20%増加したという比較です。

 この2つの表現は決して嘘をついていないというのが怖いところです…

 このような数字を使った表現を見て、相対値か絶対値かを考えずにそのまま鵜呑みにすると危険ですね。私は、鵜呑みにしやすいタイプなので、気をつけます(〜〜;)

 

因果の逆転

 原因と結果の両方を決めれないのに、片方の因果関係を誤って強く言ってしまうことを因果の逆転の落とし穴というそうです。

 例えば、友人とちょっとしたことで喧嘩に。それがきっかけで口が効かなくなったとしましょう。そうなった場合、多くの人は

「くだらないことで言い争いしたから(原因)」→「仲が悪くなった(結果)」

と考えてしまいがちです。そして「普段からくだらないことで言い争いしないようにしよう」と心がけるかもしれません。

 しかしもしかしたら因果関係としては違う別の見方もできるかもしれません。

「もとからギクシャクしていたから(原因)」→「くだらないことで言い争いになった(結果)」

という可能性も出てきます。そうすると、ある人との人間関係で「言い争いはしない」という心がけも期待ほどの効果は得られないかもしれません。

 

 この例えを読んだ時、私の生活の中でも起こりうるなと思いました。いや、もう実際に起こっているな。非常に身に覚えがある(^^;)

 因果関係を見つけることは容易ではありません。因果関係を決め付けるのではなく、一つの思い浮かぶ原因を過信せずに「原因の一部に過ぎない」と考える方が、良いかもしれませんね。

 

 

「PECO」(ペコ)

 疑問(仮説)を明確化し、自分の言いたいこと、やりたいことについて頭を整理しようとするとき、役に立つのが「PECO」形式(ペコ・フォーマット)です。

 これは、目下の卒論で最初の難敵、「仮説」を整理するために使える!と思ってため、備忘録としても書き残します。

 PECOは、「人々(people)」「曝露(exposure)」「比較(comparison)」「結果(outcome)」という頭文字からできています。

 PECOの内容は次のとおりです。

 

 

P 「誰を(何を)対象に」

E 「何をしたら」

  (どのような要因を持たせるか)

C 「他の何と比べて」

  (要因を持っていない対照群との比較)

O 「何がどうなっているか」

  (EとCを評価する具体的な指標)

 

 

 これら4つの視点で、仮説を明確化し、検証すれば原因と結果に何らかの関係があることが明らかにできるそうです。

 

 

最後に

 この本が度々訴えているのは、情報は「完璧はない」ということです。いくら科学的に検証されていると言っても、信憑性が100%と言えないのです。

     だから、情報を白か黒かではなく、灰色として捉え、それがどのくらい白に近い灰色か、それともどのくらい黒に近い灰色かを、見極めてそこからどのようにして意思決定につなげていくかが大事であると。そのための合理的な思考であると訴えています。

 

 自分は、情報を一面的に捉えてしまうし、完璧を求める節があります。しかし、完璧や絶対というのはそうありません。だからこそ、いろいろな情報を集め、自分の意思決定に対して、情報を様々な視点で見て、それに筋を通していくことが大切なのだと思いました。

 

 そしてこれが、大学生でやってきたことであり、反省点でもあるなと(笑)

 

 ほとんどの場合が情報不足で、自分の意思決定を誤りました。まずは情報を様々な視点で集めることが大事だと思います。しかし、情報はあくまでも灰色です。インターネットの場合は、嘘の情報が含まれている場合も沢山あります。だから、それを見極めたり、筋を通すことが大切なのだと思います。

 

 この本は意思決定するために灰色の情報をどのように根拠として組み立てていくかのテクニックがちりばめられています。それらのテクニックを使い、合理的に判断できる人間になっていきたいです!